FXで安定して利益を上げるためには、「エントリー」と「損切り・利確」の判断をセットで考える必要があります。なぜなら、エントリー時点でのリスクとリワードを明確にしておかないと、感情的なトレードに陥るからです。
この記事では、プロも実践している損切りと利確の考え方や具体的な設定方法、パターン別の実例を交えて詳しく解説します。
なぜ“エントリーと同時”にラインを決めるのか?
多くの初心者がやってしまいがちなのが、「とりあえずエントリーしてから損切りと利確を考える」こと。しかし、これは非常に危険です。
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相場が思った方向に進まなかった時、どこまで耐えるのかが曖昧になる
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利確の目安がないと、「まだ伸びるかも」と欲張って逆行してしまう
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結果的に、勝率が下がりメンタルも崩壊しやすい
つまり、トレード前に“出口戦略”を明確にしておくことが、負けにくくなる第一歩です。
損切りラインの考え方
基本は「テクニカル的にシナリオが崩れる位置」
損切りは“含み損に耐える限界”ではなく、「このラインを割ったらシナリオが崩れた」と判断できる場所に設定します。以下はその一例です。
1. 直近の高値・安値の外側
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上昇を狙うなら、直近の安値の少し下に損切り
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下降を狙うなら、直近の高値の少し上に損切り
2. ローソク足の構造を基準にする
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反発を狙ったインサイドバーなら、母線の外側に損切り
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包み足なら、包み足の外に設定
3. インジケーターとの組み合わせ
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200EMAを割ったらシナリオ否定など、動的な基準も有効
利確ラインの考え方
基本は「次のレジスタンス or サポート」
利確ラインは、現実的に届きそうなターゲットをベースに設定します。以下のような基準が使われます。
1. 上位足の水平線
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4時間足や日足のラインは、短期トレードでも意識されやすい
2. フィボナッチのリトレースメント
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押し目からの戻りで38.2%、61.8%などを目安に
3. ATR(平均的な値動き)で現実性チェック
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利確ラインまでの距離がATRの2倍以上なら届かない可能性大
4. リスクリワード比から逆算
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1:2(リスク1に対してリワード2)以上が望ましい
パターン別:損切りと利確の実例解説
ケース1:ブレイクアウト戦略
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エントリー:レジスタンスブレイクでロング
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損切り:ブレイク前のレンジ下限
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利確:次のレジスタンスライン or 高値更新
ケース2:押し目買い戦略
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エントリー:移動平均線付近で反発確認後ロング
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損切り:直近の押し安値割れ
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利確:前回高値付近 or 直近レジスタンス
ケース3:レンジ逆張り戦略
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エントリー:ボックスの上限でショート
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損切り:レンジ上抜け(少し上に)
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利確:レンジ下限手前
エントリーと同時に確認すべき「3つの指標」
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リスクリワード比
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最低でも1:1.5以上は確保
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トレード回数が多いほど、この比率がものを言う
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勝率とのバランス
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勝率50%ならリスクリワード1:2で十分
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勝率70%を狙うなら1:1でもプラスになる
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期待値(勝率 × 平均利益 − 負け率 × 平均損失)
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全体のトレード設計がこの1式に集約される
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よくある失敗と対策
失敗例 | 対策 |
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「伸びそうだから利確を伸ばす」 | 事前の利確ポイントを守る |
「ギリギリで損切りを浅くする」 | シナリオ崩壊基準に従う |
「損切りを移動させる」 | 根拠なしに変えない、トレーリングはルール化 |
まとめ:ルールを持ってトレードせよ
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損切りと利確は「感情」ではなく「事前の設計」で決める
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シナリオが崩れたら損切り、到達したら利確を徹底
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リスクリワードと勝率のバランスが期待値を生む
FXにおいて、最も重要なことの一つが“損小利大”の構築です。エントリーと同時に損切り・利確を決める習慣を身につけて、安定したトレード力を築いていきましょう。
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