押し目買い(Buy the dip)・戻り売り(Sell the rally)は、トレンドフォロー戦略の中でも特に人気が高く、再現性の高い手法として多くのトレーダーに利用されています。しかし、これらの手法は「どこで押し目なのか」「戻りなのか」が見極められないと、逆行に巻き込まれてしまうリスクもあります。
本記事では、初心者から中級者に向けて、押し目買い・戻り売りの考え方、タイミングの測り方、具体的なチャート分析の方法までを徹底的に解説します。
なぜ押し目買い・戻り売りが有効なのか?
トレンド相場では、価格が一直線に進むことはまれで、上昇(下降)→一時的な下落(上昇)→再び上昇(下降)というリズムを繰り返します。
この一時的な調整を「押し目」や「戻り」と呼び、その終点から再度トレンド方向に仕掛けることで、
✅ トレンドの勢いを活かせる
✅ 損切り幅を小さく抑えられる
✅ リスクリワードが良くなる
というメリットがあります。
見極めの基本:トレンドの定義を明確にする
まず大前提として、「トレンドが出ている」状態であることが前提です。以下のような判断基準が基本になります。
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上昇トレンド:高値・安値が切り上がっている
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下降トレンド:高値・安値が切り下がっている
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20EMAや50MAが価格と同じ方向に傾いている
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ダウ理論や移動平均線のクロスが一致している
このような環境が整っている場合に、押し目・戻りが成立します。
【押し目買い】ベストタイミングの見つけ方
✅ サポートラインでの反発
過去に何度も反発している水平ライン、フィボナッチリトレースメント(38.2%、50%、61.8%)などでの反発確認がポイント。
✅ 移動平均線タッチ
20EMAや50SMAなどの中期MAでの反発は非常に信頼度が高いです。
✅ ローソク足のパターン
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ピンバー(下ヒゲ)
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包み足(陽線が陰線を包む)
などが出現したときは、エントリー根拠として強力です。
【戻り売り】ベストタイミングの見つけ方
基本的には押し目買いの逆です。
✅ レジスタンスラインでの反発
以前のサポートラインがレジスタンスに切り替わる「ロールリバーサル」も活用できます。
✅ 移動平均線を上抜けできない動き
20EMAを試して抜けられない動きは戻り売りの好機。
✅ ローソク足の形状
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上ヒゲのピンバー
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陰線包み足
などは反転のサインです。
複数根拠を組み合わせるのが勝率UPの鍵
1つのシグナルに頼るのではなく、以下のように複数の条件がそろった場合にだけエントリーするのが安定的です。
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✅ 上位足のトレンド方向と一致しているか
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✅ 水平ライン・MA・フィボナッチなどが重なっているか
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✅ ローソク足が反転パターンを形成しているか
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✅ 出来高が伴っているか
押し目・戻りでやってはいけないこと
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❌ トレンドが不明確な状態でのエントリー
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❌ 調整の深さを待たずに飛び乗る
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❌ 損切りを設定しない or 深すぎる損切り
これらを避けることで、押し目・戻りの失敗を減らすことができます。
実際のトレード例
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上昇トレンド中、50EMA付近+水平ライン+ピンバー出現 → 押し目買いエントリー
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下降トレンド中、38.2%戻し+移動平均線+陰線包み足 → 戻り売りエントリー
複数根拠が揃えば、損切りを浅く、利確はトレンドに乗せて大きく狙えます。
まとめ
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押し目買い・戻り売りはトレンドフォローの王道戦略
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環境認識 → サポレジ or 移動平均 → ローソク足の順で判断
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単独の根拠ではなく、複数根拠で精度を高める
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焦って飛び乗らず、しっかりと引き付けて入ること
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