ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)は、FXで使われる代表的なテクニカル指標のひとつです。
相場のボラティリティ(価格の変動幅)を可視化し、トレンド判断や逆張り・順張りのタイミングを探ることができます。
この記事では、ボリンジャーバンドの基本的な構成から使い方、実践的なエントリー戦略、初心者が陥りやすい注意点まで詳しく解説します。
ボリンジャーバンドとは?変動幅を視覚化するインジケーター
ボリンジャーバンドとは、移動平均線を中心に、価格の標準偏差を利用して描かれるバンド状の指標です。開発者のジョン・ボリンジャー氏の名前からその名がついています。
構成は以下のとおりです。
ライン名 | 意味・特徴 |
---|---|
中央線(ミドルバンド) | 通常は20日移動平均線。価格の平均的な動きを示す |
±1σバンド | 標準偏差1。価格が68%の確率でこの範囲に収まる |
±2σバンド | 標準偏差2。価格が95%の確率でこの範囲に収まる |
±3σバンド | 標準偏差3。価格が99%の確率でこの範囲に収まる |
つまり、±2σや±3σに触れた価格は統計的に「行き過ぎ」と判断できるわけです。
ボリンジャーバンドの基本的な使い方|順張りと逆張りの両対応
① 逆張りの使い方|±2σまたは±3σで反発を狙う
もっとも有名なのが「±2σや±3σでの逆張りトレード」です。
-
価格が+2σを超えたら「買われすぎ」 → 売りサイン
-
価格が-2σを割ったら「売られすぎ」 → 買いサイン
この手法はレンジ相場で非常に有効です。ボリンジャーバンドが横ばいのときに±2σ付近で反発する確率が高くなります。
ただし、トレンド相場では逆張りは危険なので、相場状況を見極めましょう。
② 順張りの使い方|バンドウォークでトレンドに乗る
トレンド相場でよく見られるのが「バンドウォーク」と呼ばれる現象です。
-
価格が+2σの外側を沿って上昇 → 上昇トレンド継続中
-
価格が-2σの外側を沿って下降 → 下降トレンド継続中
この状態では、逆張りせずに順張りでついていくのが有効です。
特にボリンジャーバンドの幅(バンド幅)が広がっているときは、トレンドの勢いが強いことを示しています。
実践的なボリンジャーバンドのエントリー戦略3選
戦略① ボリンジャーバンド+ローソク足反転パターン(逆張り)
-
条件:±2σまたは±3σ到達 + ピンバーや包み足などの反転シグナル
-
タイプ:逆張り
-
相場:レンジ相場に有効
【ポイント】
ローソク足の反転シグナルが出てからエントリーすることで、だましを減らすことができます。
戦略② ボリンジャーバンドの収縮と拡大を使ったブレイクアウト手法
-
条件:バンド幅が極端に狭くなったあとの拡大(スクイーズ→エクスパンション)
-
タイプ:順張り
-
相場:ブレイク直後のトレンド初動
【ポイント】
「スクイーズ」は相場がエネルギーを溜めているサイン。「拡大」が始まった方向にポジションを取ることで、トレンド初動を捉えやすくなります。
戦略③ ボリンジャーバンド+移動平均線クロス
-
条件:±2σをブレイク + 移動平均線のクロス
-
タイプ:順張り or 逆張りの根拠補強
-
相場:判断材料が複数あるとき
【ポイント】
ボリンジャーバンド単体で迷ったときは、移動平均線の傾きやクロスと組み合わせてエントリーの精度を高めましょう。
ボリンジャーバンドを使う際の注意点とコツ
相場の環境認識が最重要
ボリンジャーバンドは相場がレンジかトレンドかで使い方が大きく異なります。
-
バンドが横ばい → 逆張り有利
-
バンドが広がり始めた → 順張りが有効
この判断が間違っていると、逆張りがトレンドに逆らう結果になり、大きな損失につながります。
±3σを盲信しすぎない
±3σでも「行き過ぎた価格」がさらに進むこともよくあります。
インジケーターを過信せず、ローソク足・出来高・他の指標と合わせて使うようにしましょう。
時間足によってシグナルの強さが変わる
-
1分足や5分足 → ノイズが多い
-
1時間足や4時間足 → 精度が高い
-
日足 → トレンドの確認に最適
初心者はまず1時間足で練習し、短期足では逆張りに注意するのがおすすめです。
まとめ|ボリンジャーバンドは順張り・逆張りどちらにも対応できる万能型インジケーター
ボリンジャーバンドは、その視覚的なわかりやすさと応用の幅広さから、初心者にも非常におすすめのインジケーターです。
【本記事のポイントまとめ】
-
±2σ・±3σは「価格の行き過ぎ」を判断する基準
-
バンドウォーク=トレンド継続サイン
-
スクイーズ→エクスパンションでトレンド初動を狙う
-
移動平均線など他の指標と組み合わせて精度UP
-
レンジとトレンドの見極めが最重要!
まずはデモ口座などで実際にボリンジャーバンドを表示し、動きとシグナルを観察してみましょう。
視覚的に相場のリズムがわかるようになれば、トレードの自信も大きく育ちます。
コメント