ストキャスティクス(Stochastics)は、現在の価格が一定期間の高値・安値に対してどの位置にあるのかを数値化したテクニカル指標です。
RSIと並ぶ「オシレーター系指標」の代表格で、特にレンジ相場における逆張り戦略に効果を発揮します。
この記事では、ストキャスティクスの基本的な仕組みから実践での使い方、注意点までを初心者向けに詳しく解説します。
ストキャスティクスとは?オシレーター系の定番指標
ストキャスティクスは、以下のような数値をチャートに表示するインジケーターです:
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%Kライン(メイン線)
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%Dライン(シグナル線)
この2本のラインが0〜100の間で上下に推移し、「売られすぎ」「買われすぎ」の状態を可視化します。
売買シグナルの基本
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80以上:買われすぎ → 売りサイン
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20以下:売られすぎ → 買いサイン
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%Kラインと%Dラインのクロス → タイミングの目安
つまり、ストキャスティクスは「行き過ぎた相場の戻り」を狙う逆張りツールとして使われることが多いです。
ストキャスティクスの2種類
① ファスト・ストキャスティクス(Fast Stochastics)
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より鋭く反応する
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ダマシも多いがエントリーが早い
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%Kと%Dのクロスに敏感
短期トレードやスキャルピング向き。
② スロー・ストキャスティクス(Slow Stochastics)
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なめらかな線でノイズが少ない
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ダマシが少なく、中期トレード向き
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一般的に多くのトレーダーが使用
特に初心者は「スローストキャスティクス」から使い始めるのがおすすめです。
ストキャスティクスの設定方法とおすすめパラメーター
代表的な初期設定は以下の通りです。
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%K期間:14
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%D期間:3
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スローイング:3
この設定なら、過去14本のローソク足を基準にストキャスティクスを描画することになります。
「早めのシグナルが欲しい」場合は%K期間を短く、「精度を高めたい」場合は%Dを長くすると良いでしょう。
ストキャスティクスの基本的な使い方
① 20以下でゴールデンクロス → 買いシグナル
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%Kラインが%Dラインを下から上へ抜ける
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かつ、数値が20以下で発生している
このパターンは「売られすぎからの反転」を狙う買いのチャンスになります。
② 80以上でデッドクロス → 売りシグナル
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%Kラインが%Dラインを上から下へ抜ける
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かつ、数値が80以上
「買われすぎからの反落」を狙った売りのタイミングです。
③ クロスだけでなく、ラインの傾きも重要
クロスの位置だけでなく、「%Kラインと%Dラインの角度・勢い」も判断材料にすることで、より精度の高いエントリー判断ができます。
実践で使えるストキャスティクス戦略3選
戦略① レンジ相場での逆張りトレード
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条件:価格が明確なレンジ内で動いている
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ストキャスティクスが20以下 or 80以上でクロス
【ポイント】
ボリンジャーバンドやサポレジラインと組み合わせると、ダマシを減らして信頼性がアップします。
戦略② トレンドフォローでの押し目買い・戻り売り
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条件:上昇トレンド中にストキャスティクスが20付近でゴールデンクロス
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または下降トレンド中に80付近でデッドクロス
【ポイント】
順張りと逆張りをミックスした形。トレンド継続中の押し目を拾う際に有効。
戦略③ ダイバージェンスで転換点を捉える
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条件:価格が高値更新しているが、ストキャスティクスが下がっている(逆も然り)
【ポイント】
相場の“勢い”が失われつつあるサインとして使える高度なテクニックです。
ストキャスティクスを使う上での注意点
ダマシが多い場面がある
特にトレンドが強い場面では、80以上でもどんどん上昇、20以下でも下落が続くことがあります。
→ 対策:トレンドフィルター(移動平均線・MACDなど)を併用
他のインジケーターとの併用が必須
単体では信頼性に欠けるため、以下との組み合わせが効果的です:
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RSI(相対力指数)で過熱感を補完
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ボリンジャーバンドで価格帯を視覚化
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MA(移動平均線)でトレンドの方向を確認
ストキャスティクスで勝率アップするための5つのポイント
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相場の状態(レンジorトレンド)を見極める
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20・80ラインだけでなくクロス位置を重視
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ローソク足やプライスアクションと組み合わせる
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トレンド方向に沿ったエントリーを優先する
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無理な逆張りを避けてシグナルを精査する
まとめ
ストキャスティクスは、初心者にとっても扱いやすいオシレーター系インジケーターです。
特にレンジ相場では有効性が高く、適切に使えば精度の高いエントリー&エグジット判断が可能になります。
ただし、万能ではないことを理解し、他のテクニカル分析と併用する姿勢が大切です。
まずはデモトレードなどでストキャスティクスの挙動に慣れ、エントリーポイントの精度を高めていきましょう!
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