FXにおけるテクニカル分析で、もっとも基本でありながら非常に強力なツールのひとつが「水平ライン」です。シンプルだからこそ、多くのトレーダーが注目し、価格が反応しやすいポイントとなります。
本記事では、初心者が見落としがちな「水平ラインの正しい引き方」と、その実践的な使い方について、基礎から応用まで詳しく解説します。
水平ラインとは?
水平ラインとは、過去に価格が反発または停滞したポイントに引く横一直線のラインのことです。主に「サポートライン(下支え)」や「レジスタンスライン(上値抵抗)」として使われます。
このラインは「買いと売りの攻防が激しくなる価格帯」を表しており、多くの参加者が意識しているため、未来の値動きにも影響を与えるのです。
水平ラインを引くべき3つの基本ポイント
① 明確な反発点が複数ある価格帯
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同じような価格で何度も反発(または跳ね返された)場所にラインを引きましょう。
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1点の反発ではなく、2点以上の一致があると信頼性が増します。
例:
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過去に3回高値をつけて跳ね返された価格帯 → レジスタンスライン
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過去に2回下値を支えた価格帯 → サポートライン
② ローソク足のヒゲではなく“実体”を重視
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水平ラインを引く際には、ローソク足の実体の終値や始値を優先しましょう。
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ヒゲで一瞬タッチした価格よりも、実体が止まったラインの方が強力です。
これは、実体で止まった価格帯こそが「多くのトレーダーが売買判断した場所」であり、信頼性が高いためです。
③ 日足・4時間足のラインを優先する
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上位足で引いた水平ラインは、より多くのトレーダーに意識されやすいため強力です。
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特に日足や4時間足で引いた水平ラインは、短期足トレードにおいても重要な指標になります。
水平ラインの種類と用途
1. サポートライン(Support)
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価格が下落してきた際に反発しやすいポイント。
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過去に「買い」が入って上昇に転じた場所。
使い方例:
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サポートライン付近でのロングエントリー
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サポートを割ったらショートへ切り替え(ラインブレイク)
2. レジスタンスライン(Resistance)
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価格が上昇してきた際に反落しやすいポイント。
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過去に「売り」が入って下落に転じた場所。
使い方例:
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レジスタンス付近でのショートエントリー
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レジスタンスを上抜けたらロング(上昇トレンド加速)
3. ネックライン
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チャートパターン(ダブルトップ、三尊など)で重要な「転換の起点」となるライン。
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このラインを境にトレンドが変化することが多く、非常に注目度が高い。
実践!水平ラインの使い方3選
パターン①:反発狙いの逆張り
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水平ラインで反発することを前提にエントリー。
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ローソク足のパターン(ピンバー、包み足など)で反応を確認すると精度UP。
例:
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レジスタンスライン付近で上ヒゲ→ショート
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サポートライン付近で下ヒゲ→ロング
パターン②:ラインブレイク狙いの順張り
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水平ラインを明確に抜けた後、その方向にトレンドが加速すると仮定してエントリー。
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抜けた直後ではなく、「ブレイク後の戻し(リテスト)」を狙うとリスクが抑えられます。
例:
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サポートラインを下抜けた後の戻り売り
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レジスタンスラインを上抜けた後の押し目買い
パターン③:複数時間足でのライン重複を利用
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日足と1時間足で同じ価格帯にラインが引ける場合は、非常に強力な「壁」となりやすいです。
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このラインでの反応は大きくなりやすく、短期トレードでも有効な判断材料になります。
よくある失敗とその回避法
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失敗①:何本も引きすぎて“ラインだらけ”に
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→ 意識されていないラインはノイズ。重要なラインに絞る。
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失敗②:ヒゲにばかり反応して引いてしまう
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→ 実体に注目し、ローソク足の終値や始値で統一。
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失敗③:ラインを過信しすぎる
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→ ラインは「目安」にすぎない。他のインジケーターやローソク足パターンと併用する。
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まとめ:ラインは「機能する場所だけ」を選ぶ
水平ラインは、トレードにおいて最も重要でありながら、初心者が最も軽視しやすいポイントです。しかし、正しく引いて、正しく使えば、エントリーとエグジットの精度を劇的に向上させることができます。
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実体重視で引く
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上位足のラインを優先
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過去に意識された価格にのみラインを引く
この3つを意識し、無駄のないチャートに仕上げていくことが、勝てるトレードへの第一歩です。
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